民は由らしむべし,知らしむべからず ~統治基盤の揺らぎ
2020年05月24日 代表者BLOG
『「Gゼロ」後の世界』を書いたイアンブレマー率いるユーラシアグループは毎年年初にその年のトップ10リスクというものを講評していますが、2020年は「仕組まれている!誰が米国を支配するのか(Rigged! Who governs the US?)」として米国の大統領選が挙げられていました。
今年11月、トランプ氏は弾劾裁判にかけられた大統領として初めて大統領選挙に臨みます。断崖の理由は再選を目指した権力乱用であって、裁判でも53対47と僅差でした。弾劾裁判で止められないとすればトランプ大統領を止める仕組みはありません。次の選挙も結局「不正」のイメージを免れず、選挙結果に人々の多くは納得せず、親トランプと反トランプの溝が更に深まることになるでしょう。人口の半分が少なくとも「不正(Rigged)」だと感じ、統治の正当性そのものに疑問を抱くようになります。ただでさえトランプ大統領は今までの任期で中央銀行を攻撃し、裁判所を攻撃し、既存の統治システムの正当性を掘り崩してきました。しかし「アラブの春」でも明らかなように、壊すことは簡単でも、それに代わる、より素晴らしい仕組みを打ち立てることは容易ではありません。
統治の正当性というものは極めて重要です。既存システムそのものに信頼が置けなければ、誰もそれらのルールを守ろうとしなくなるでしょう。
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