「この旅で、私は生まれて初めて、地平線と水平線を見た」~人間界のすべての法則は、体験によって、その最後の磨きをかけられる

2020年05月13日 代表者BLOG

「光の教会」などで有名な建築家の安藤忠雄は、大学での専門的な建築教育は受けずに、建築事務所でのアルバイトと独学で建築士になった異色の人間です。

 

もともとプロボクサーだったのですが、ファイティング原田の練習風景を見て圧倒され、即座にボクシングは辞めたと述懐しています(安藤忠雄『建築家 安藤忠雄』、p.39)。

 

その後、モノ作りに惹かれ建築家への道を進んでいく安藤ですが、24歳の時海外渡航が自由化されると、すぐさま渡欧を決めます。観光用のガイドブックもなく、もちろん周りに海外経験者などいない時代、1ドル360円の時代の海外渡航です。

 

そうした不安以上に、未知の西欧への好奇心の方が強かった。

私たちの世代にとって、建築の歴史とはすなわち、ギリシャ、ローマの古典から近代建築に至る西欧建築の歴史である。

写真で見る西欧建築には、細部にこだわり、自然と一体化する日本の建築にはない、力強さがあるように思えた。

その強さが何なのかを、その場所に行って、自分の目で確かめたかった。

安藤忠雄『建築家 安藤忠雄』、p.52

横浜港からモスクワに入り、欧州を横断してスペインへ…

 

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