熱帯地方の都市化というパンドラの箱 ~感染症の歴史を考える

2020年04月26日 代表者BLOG

コロナウイルスの今後への示唆について、病原菌の広がり方から考えてみましょう。

 

以前、『銃・病原菌・鉄』という本が世界的に流行りましたが、人類の歴史にとってもともと病原菌は大きな影響を持つものでした。

 

人間の死因でいちばん多いのは病死である。そのため、病気が人類史の流れを決めた局面も多々ある。たとえば、第二次世界大戦までは、負傷して死亡する兵士よりも、戦場でかかった病気で死亡する兵士のほうが多かった。戦史は、偉大な将軍を褒めたたえているが、過去の戦争で勝利したのは、かならずしももっとも優れた将軍や武器を持った側ではなかった。過去の戦争において勝利できたのは、たちの悪い病原菌に対して免疫を持っていて、免疫のない相手側にその病気をうつすことができた側である。

ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』(上)、pp.290-291

ナイチンゲールの偉業の一つは、戦争に従軍した兵士の死因を集計した結果、戦闘で負った傷自体で亡くなるよりも、負傷後に何らかの菌に感染したせいで死亡する兵士の方が圧倒的に多いことを明らかにしたことでした。彼女は…

 

続きはこちら